[書評]TypeScriptハンズオン
書籍情報
タイトル : TypeScriptハンズオン
著者 : 掌田津耶乃
出版社 : 秀和システム
発売日 : 2021/8/27
書籍サイズ : 単行本(大) - 横18.4cm x 縦23.6cm
概要
本企画は、TypeScriptをハンズオン形式で学ぶ書籍です。「ハンズオン形式で敷居の低い解説」が特徴となります。またWebアプリ開発にも章を割いており、様々な知識を学びたい人にうってつけの内容となります。
近年、デファクトスタンダードになりつつあるTypeScriptの入門書籍です。
すべての章がハンズオン形式で進むのが特徴でTypeScriptを幅広く理解できる内容となっています。
導入方法から基礎(変数、関数などの説明)、実践(〇〇とTypeScript)などが解説されています。
目次
- TypeScriptをはじめよう
- TypeScriptを準備しよう
- TypeScriptによるアプリケーション作成
- 値・変数・構文をマスターする
- 値と変数
- 制御構文
- 複雑な値
- 型をさらに極めよう
- 関数をマスターする
- 関数の基本
- 関数をさらに掘り下げる
- 関数の高度な機能
- コンソールプログラムを作ろう
- オブジェクトをマスターする
- オブジェクトの基本
- クラスの利用
- クラスをさらに掘り下げる
- メモアプリを作ろう
- より高度な機能
- 型について・再び
- プログラム開発に必要な重要機能
- 簡単メッセージボードを作ろう
- クライアントサイドとTypeScript
- JavaScriptの代用としての利用
- ReactとTypeScript
- VueとTypeScript
- サーバーサイドとTypeScript
- Node.js / Expressプロジェクト
- Nest.jsによるサーバー開発
- TypeORMでSQLデータベースを使う
- メッセージボードを作ろう
- 索引
感想
TypeSctiptが一から説明されており理解しやすい内容でした。
タイトルの通り、ハンズオン形式で説明が進んでいきます。 一つ一つ実行して理解していきたい方にはとてもおすすめです。
内容としては前半が基礎、後半が実践となっています。
前半についてはTypeScriptを一からインストールして、webpackでビルドするような内容となっていてしっかりと理解して進めるのではないでしょうか。 逆にいうと実践向きではなく、既にある程度VueやReactを利用して開発をしている方であれば知りたい内容まで少し我慢が必要になるかもしれないと感じました。
これはしょうがないことなのですが、変数などの解説部分はJavaScript経験者からするとかなり冗長な気がします。 TypeScriptはJavaScriptの上位互換ということもあり冗長になるのは当然ですし、自分が対象読者ではない可能性もあるので個人的な感想です。
後半の実戦については、様々なシチュエーションを対象としており、幅広く知ることができるようになっています。
ここも読者によってはもどかしい部分かと思います。
まず対象読者と思われるJavaScriptはほぼ未経験でTypeScriptから入ろうとしている方には、Vueなどのアプリ開発の導入から解説してくれているので分かりやすい解説だと思います。
一方、ある程度開発経験がある方だと、導入は自身で解決するのでTypeScriptの使い方を深く説明してほしいという気持ちになると思われます。
ある特定の状況(ReactとTypeScript等)を深く理解したいとなるとこの一冊だけでは厳しい印象です。あくまで触りや導入を理解して、その後は他の書籍やネットで調べていくことになると思います。
ただもちろん、こちらはTypeScript初心者の書籍なので対象としている読者にとっては理解しやすい内容になっています。
結論としては、JavaScriptはほぼ未経験(自分で簡単なアプリを作ったことがある程度)の方ならとても良い書籍です。1章ずつ理解してくことでTypeScritp以外の知識を身につけることも期待できそうです。 ただJavaScriptやVue・Reactなどのフレームワークに携わっている or 経験がある方には少し物足りない印象でした。