Yarnの基本

2024/01/05 This article was written by mgk

ソフトウェア開発において、効率的で信頼性の高いパッケージ管理は不可欠です。

その中で注目されているのが、Facebookが開発した「Yarn」です。

Yarnは高速でセキュアなパッケージ管理を提供し、多くの開発者に愛用されています。

本記事では、Yarnの基本的な概念と使い方について初心者向けに解説します。

Yarnとは？

Yarnは、JavaScriptのパッケージマネージャーであり、主にNode.jsのプロジェクトで使用されています。

NPM（Node Package Manager）の代替として登場し、より高速で信頼性の高いパッケージ管理を提供しています。

Yarnはオープンソースで、広くコミュニティによってサポートされています。

高速なインストール:
Yarnは依存関係の解決とパッケージのインストールを非常に高速に行います。キャッシュを活用することで、同じパッケージを再度ダウンロードする必要がなくなります。
セキュリティの向上:
Yarnはパッケージのダウンロード時にハッシュ値の比較を行い、ダウンロードしたファイルが正当なものであるかを確認します。これによりセキュリティを向上させています。
依存関係のロック:
Yarnはyarn.lockファイルを生成し、プロジェクトの依存関係のバージョンを確定させます。これにより、異なる開発環境での依存関係のズレを防ぎます。
オフラインモード:
一度ダウンロードしたパッケージは、キャッシュとして保存されます。そのため、ネットワーク接続がない場合でも以前にインストールしたパッケージを利用できます。

1. Yarnのインストール:

まず最初に、Yarnをインストールします。

以下のコマンドを使用して、グローバルにYarnをインストールできます。

npm install -g yarn

2. 新しいプロジェクトの初期化:

Yarnを使用して新しいプロジェクトを初期化するには、次のコマンドを実行します。

yarn init

このコマンドはプロジェクトの基本的な情報（プロジェクト名、バージョン、エントリーポイントなど）を尋ねます。

ユーザーがそれらの情報を入力すると、package.jsonファイルが生成されます。

3. パッケージの追加:

新しいパッケージをプロジェクトに追加するには、yarn addコマンドを使用します。

yarn add パッケージ名

例えば、ExpressというNode.jsのウェブアプリケーションフレームワークを追加したい場合は、以下のようになります。

yarn add express

4. 開発用パッケージの追加:

開発時のみに必要なパッケージを追加するには、--devフラグを使用します。

yarn add パッケージ名 --dev

例えば、開発時にのみ利用するBabelを追加する場合は以下のようになります。

yarn add babel --dev

5. パッケージの削除:

不要になったパッケージを削除するには、yarn removeコマンドを使用します。

yarn remove パッケージ名

6. パッケージの更新:

プロジェクトにインストールされているパッケージを最新のバージョンに更新するには、yarn upgradeコマンドを使用します。

yarn upgrade

7. 依存関係のインストール:

package.jsonファイルに記載されている依存関係をインストールするには、単純にyarnコマンドを実行します。

yarn

8. Yarnのバージョン確認:

Yarnのバージョンを確認するには、以下のコマンドを使用します。

yarn --version

Yarnは高速でセキュアなパッケージ管理ツールとして、JavaScript開発者にとって重要なツールの一つです。

NPMと同様に広く利用されており、その特徴的な機能により多くの開発者に支持されています。

本記事で紹介した基本的なコマンドを覚え、Yarnを使いこなして効率的な開発を行いましょう。